第125回贵重书展
江戸时代の西洋医学
-解剖书を中心にして-
平成22年6月24日(木)～7月14日(水)
鹤见大学図书馆
江戸时代中期,汉方医学古方派の泰斗山脇东洋は,汉方古典に対する深い懐疑から,ついに人体の解剖観察にまで歩みを进めた.宝暦4年(1754)闰2月,公许を得て京都で刑死体の腑分け(解剖)を行い,その所见を『蔵志』に掲载した.これが日本最初の公の人体解剖であった.剖検の际,东洋は持っていたウェスリング(独)の解剖书の図と実物とを比较し,その図版の正确さに惊叹した.その感动は生き生きと『蔵志』に述べられている.この解剖観察が先例となって,その后つぎつぎに刑死者の解剖が実施され,その所见は相次いで刊行された.
安永3年(1774)には杉田玄白,前野良沢等によって独人クルムスの解剖书(通称ターヘル アナトミア)が翻刻され,『解体新书』と题して出版された.本书の出版は日本医学史上のみならず,日本文化史上画期的な大事业で,これを契机として兰学は燎原の火の如く広まって,多くの人々に学ばれ,訳された医书は江戸だけで1,500部以上にのぼった.そのため西洋医学は広く社会に行きわたって,明治における洋学への転换の基础が固まった.ヨーロッパの医学が解剖学の进歩に伴って発达したことを思えば,近代日本の医学が,山脇东洋の腑分けに始まり,『解体新书』を出発点として展开していったことは,まことに象徴的であるように思われる.
解剖学に続いて生理学,病理学をはじめ,临床各科においても同様の転机が访れた.
兰学以前の医学はいうまでもなく汉方医学の流れを汲むものであった.それは経络を轴とし,阴阳五行说を背景として展开される医说に基いた医术で,実证医学というには程远い思弁的倾向の强いものであった.彼我の大きな悬隔は,腑分けを试みた医师达はもとより,『解体新书』以后,続々と刊行された翻訳书を媒介として,広く世の医学者达の知るところとなった.
観念的医学から実证的医学へ,その転换への契机をもたらしたものは,翻訳医学书の出版そのものであった.それは単に医学に留まらず,日本文化そのものにも大きな転机をもたらし,やがて世界史上稀有の革命たる明治维新を実现する原动力となったのである.
ここに展示する各科の兰学医书は,いずれも斯学のパイオニアとなった医学史上重要なモニュメントであり,各书の持つ文化史的意义の大きさは思い半ばに过ぎるものがある.
この展示が近代医学の出発点とその后の発展を省察する动机となれば,吾人の目的は达せられるのである.
歯学部研究员
戸出 一郎
展示リスト
〈解剖书〉
1. 蔵志 山脇东洋著 复刻版 宝暦9年(1759) 昭和53年复刻 2巻2册
2. 解体新书 クルムス(独)著 ディクテン(兰)訳 杉田玄白重訳
安永3年(1774) 4巻序図1巻5册
3. (重订)解体新书 クルムス(独)著 ディクテン(兰)訳 杉田玄白訳 大槻玄沢重订
文政9年(1826) 4巻翻訳新定名义解4巻13册
4. (重订)解体新书铜版全図 クルムス(独)著 ディクテン(兰)訳
南(小柿)宁一図 中伊三郎刻 文政9年(1826) 折本1帖
5. Ontleedkundige tafelen 兰訳原本
クルムス(独)著 ディクテン(兰)訳 1734年 アムステルダム版 1册
6. 解体琐言 柚木太淳著 寛政11年(1799) 1册
7. 西说医范提纲釈义 宇田川榛斎訳述 文化2年(1805)序 3巻3册
8. [医范提纲内象铜版図] 宇田川榛斎訳编 亜欧堂田善镌
文化5年(1808) 折本1帖
9. 蔵府真写解体発蒙 三谷公器著 文化10年(1813) 4巻附录1巻5册
10. 文政六年解臓図赋 池田冬蔵著 文政6年(1823) 1册
11. 全体新论 ホブソン(英)著 清 陈修堂同撰 安政4年(1857) 清本翻刻版 2巻2册
12. 解体学语笺 大野九十九编訳 明治4年(1871) 1册
13. 虞列伊氏解剖训蒙図 グレイ(英)原著 松村矩明等编訳 明治5年(1872) 折本2帖
14. 解剖新図(一名人身地学) スミス(米)原著 浦谷义春訳述
明治8年(1875) 折本2帖
15. [刑尸腑分画帖] 江戸后期写 折本1帖

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